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Love The One You’re With /邦題:愛への讃歌

失恋の歌でもありベトナム戦争に揺れる隠喩でもある歌詞。

インドシナ戦争終結後、ベトナムはアメリカ(資本主義・自由主義)とソ連(共産主義・社会主義)の代理戦争と化していきました。アイゼンハワー、ケネディ、ジョンソン、ニクソンと4代にわたる大統領によって指揮されたベトナム戦争でしたが世界的に起こる「反戦運動」によりアメリカの正義は疑問視され始めます。

アメリカ国内でも「果たして自分達の信じたアメリカという国が行っていることは本当に正しい事なのだろうか?」という疑問が生まれます。これに関してはそれを「正義」と信じて国の為に純粋な気持ちでベトナム戦争に志願した多くの若い兵士が、国に帰れば「Baby Killer」などと呼ばれて、故郷の人達から忌み嫌われたりした事実を考えれば、その時代の苦悩は日本に生まれ戦争に関わっていない私達には想像を絶するものだったと思われます。

そんな時代背景は音楽の性質も大きく変えることとなります。Love & Peaceが絵空事としか感じられなくなった時代、歌詞の内容も内省的なものが多くなります。黒人音楽ではMarvin GayeのWhat’s Goin’ On や、Donny HathawayのSomeday We’ll All Be Freeなど「ニュー・ソウル・ムーブメント」と呼ばれる大きなうねりが生まれます。

この歌の歌詞は通常の恋愛であれば失恋で失った愛をいつまでも求めずに、すぐそばにいる人を愛するのもアリだよという励ましの歌詞にも見えますが、この時代の社会において戦争で多くの未亡人が生まれ、帰らぬ夫を待っていた女性が沢山いたそうです。人の気持ちは移ろいやすく杓子定規で簡単に割り切れるものではありませんし、そういう意味でこの歌はこの時代だからこそ生まれたともいえる「悲しいフリー・セックス」を歌ったものだという説もあります。

まあそれはそうだとしても、なんといっても原曲のステファン・スティルスのアレンジがめちゃくちゃかっこいいし、カヴァーしているアーティストもえげつない面子ですしかもどれもかっこいい・・・。

僕たちホットスタッフはルーサー・ヴァンドロスのヴァージョンを採用しましたが、ルーサーはもともとアレサ・フランクリンのバック・コーラスをやっていたことは有名です。

原曲・アレサ・ルーサー・そして僕の大好きなアイズリー・ブラザーズ、ネヴィル・ブラザーズのヴァージョンも聴き比べてみようじゃないですか!どれも本当に素晴らしい!!

Posted in レパートリー紹介 , 原曲 VS カヴァー